キャンピングカー、それは「男の浪漫」。
ちょっと大袈裟でしょうか。
しかし、男子諸君であれば皆、「キャンピングカー」と聞くと、いくつになっても、幼い頃の秘密基地に憧れた気持ちや、自転車で隣街へ行くというだけで感じたちょっとした冒険気分など、心踊る感覚が蘇るのではないでしょうか。
今回は、そんなキャンピングカーの祭典、キャンピングカーフェアに行って来ましたので、その様子をお伝えすると共に、「キャンピングカーの選び方」について少し考えてみたいと思います。
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キャンピングカーフェアとは、何ぞや!?
さて、私が訪れたのは、タイトルにある通り、「お台場キャンピングカーフェア2016」という、全国の主要キャンピングカーメーカーが東京・お台場に一堂に会し、自社のおすすめ車両を紹介するというイベントです。
いざ入場すると、特設会場に所狭しと並べられたキャンピングカー達が迎えてくれます。
私は今回初めてこの手のキャンピングカーイベントに参加しましたが、その台数の多さと各社の車両のバリュエーションの多さに驚きました。ずらりと並ぶキャンピングカーを目の当たりにして、テンションは上がりっぱなしです。
同じベース車両(キャンピングカーの元になる車両)でも、各社こだわりのアレンジによって全く異なった仕様に仕上がっており、キャンピングカーにどんな要望があろうとも、既にそれを形にした一台が存在するのではないかと思わせるほどでした。
しかし、そんな圧倒される程の規模でも、まだ規模的にはほんの序の口。
まだ行ったことがない方、今回行けなかった方は、ご安心ください。
あるブースの方にお聞きしたところ、こういった大規模なキャンピングカーの展示イベントは、年に数回開催されており、今回のものよりもさらに規模の大きなものだと、これの1.5倍ぐらいはあるとのことでした。
次回は、2月頃に、年間通して最大級規模のイベントが開催される予定とのことでしたので、キャンピングカーに少しでも関心がある方は、是非足を運んでみててください。買う・買わないは別にしても、各社様々なこだわりを詰め込んだ車両達を見て回るだけで、キャンプ好き、車好きなら本当に楽しること間違いなしです。
私としては、キャンピングカーの購入を検討しはじめ、YouTubeでキャンピングカーの車両紹介動画を片っ端から見倒し、動画で気になった車種についてはメーカーのサイトでスペックや詳細を確認し、キャンピングカー上級者のブログ等で情報収集した上で、目ぼしい車種に当たりをつけて、本日いよいよ実車を確認し、さらには各メーカー担当者にも色々と話を聞いて来ました。
そんな私は、一体、どのキャンピングカーを買うことに決めたのか!?
発表!。。。の前に、
まずは、実際にキャンピングカーの購入を検討するに当たってどんなところをチェックしていけば良いのか、完全に私の主観ではありますが、少し解説していきたいと思います。
優先順位を決める
いきなりですが、何はともあれ、これが一番大切であり、ココがしっかりと自分の中で腑に落ちた状態で品定めをしていけば、大きな失敗はまず避けられるのではないかと思っています。
やれ最新の機能がてんこ盛りだからとか、そこそこ高いのを買っておけば大丈夫だろうとか、そういった外的要因、つまりあなたの本当の目的に則さない理由で選択することは、絶対にしてはいけません。
キャンピングカーを選ぶ時に最も大切なこと、それは、一にも二にも、その「目的」なのです。
あなたもまずは、改めて自分に問いかけてみましょう。
- オートキャンプ(クルマを併設できるキャンプ場でのキャンプ)がメインなのか
- 全国津々浦々を旅をする際の、旅先の宿代わりにしたいのか
- セカンドハウス的な使い方がしたいのか
- アウトドアやキャンプで、子供や孫を喜ばせたいのか
- 想定される乗車人数、就寝人数は最大何人か
- キャンプができればOKなのか、旅先、キャンプ地周辺で別の遊びもしたいと考えているのか
キャンピングカーと一口に言っても、その用途は、本当に千差万別、人それぞれです。
上記に挙げた様な”型”にある程度ハマる人もいれば、時と場合によって使い分けるという人ももちろんいるでしょう。
あれもこれもと想像と期待は膨らむばかりですが、私の経験上、この条件を優先するとあの条件が無理になるというように、いわゆる「トレードオフ」の関係がイロイロと出てきます。
例えば、車両サイズが小さめの方が良いという前提で探せば、広いリビングと広い荷室の両立は難しくなりますし、充実した車内設備を求めると車高が高くなって走行安定性との両立は難しい、などといった具合です。
そこで、まずあなたが絶対に外せない項目を1~3つ程度挙げてみることをおすすめします。
私なら、
- 広い荷室(バイクが積めるレベル)
- トイレルーム
- ダイネット(リビングスペース)以外の就寝スペースの確保
この3つが、私にとっての「外せない条件」ということになります。
順番に見ていきましょう。
1、広い荷室
私は旅先でベースキャンプ地を決めたら、その周辺探索や山中散歩をバイクで楽しみたいと考えていますので、オフロードバイク(小さいサイズでOK)が積めることが理想です。
少し話が逸れますが、同じキャンプとは言っても、施設がある程度充実した場所でみんなでわいわい楽しむイベント的BBQキャンプと、ソロキャンプやトレッキングキャンプ・ブッシュクラフトなどでは全くの別物です。これはあくまで私のこだわりというか、感覚的な部分ではありますが、このことを明確にしておけば、キャンピングカーに必要な要素というものも、まずはある程度絞られてくるのではないかと思います。
つまり、トレッキングキャンプやブッシュクラフトは、そもそも軽装備を前提とし、自然のものを活かして遊ぶことが目的ですので、充実した機能を持つ車両はその目的に逆行します。もちろん、ベースキャンプに機能の充実したキャンピングカーを駐めておき、そこから身軽にして山へ挑むというスタイルもあるかもしれません。その当たりも、その人のスタイル次第になります。
そう考えていくと、自分が何を楽しみたいがためにキャンピングカーを必要としているのかという部分が明確になってきます。
2、トイレルーム
これはキャンピングカーを考える上で、常に議論になる点ですが、否定派が最も気になるのが、後処理でしょう。私も正直最初の頃は、後処理の必要性に腰が引けて、トイレはいらないと思っていました。しかし、これはもう「お父さん(オーナー)の役割」と割り切りましょう。最近では、汚物を処理する薬品や各種防災グッズ等の進化によって、匂いや汚れなどほとんど嫌な思いをすることなく処理ができてしまうということが判ってきました。
お父さんの役割と割り切るという意味は、お父さんがある意味ホストとして振る舞うことで、同伴の家族や仲間に気持ちよく過ごしてもらい、結果的に自分も楽しく充実した時間を過ごせるようになるという考えるからです。
なぜ、トイレがあれば気持ちよく過ごせるかというと、言うまでもありませんが、排泄は生理現象であり、絶対に避けることは出来ません。そこがどこであろうと、尿意は催しますし、激しい腹痛に襲われるかもしれません。ましてや、旅やキャンプを前提とすると、不慣れな土地で、非日常的な環境下、ご当地の珍しい食べ物を口にしたり、思わぬ気温の変化に身体がついていかなかったりということも十分に想定される自体なのです。
そんな緊急事態に、「いつでもトイレがある」という安心感は、この上ない精神安定剤的効果をもたらし、行き先や行動予定を縛ることもなく、限られた旅の時間を効率よく使うことが可能になります。キャンピングカーについて語られているブログなどでも、「せっかくキャンピングカーで出掛けても、トイレを探すことに苦労することが多く、旅先での行動が制約される」という話が書かれていることがありますが、まさにその通りだと思います。せっかく「自由」を手にするべく家を運ぶ様な感覚で出掛けているのに、結局ずっとトイレのことに気を取られてしまうというのは、あまりにも悲し過ぎませんか?
さらにもう一つ。オートキャンプ場、もしくはキャンプ地のすぐ近くにクルマを駐めておくことができる場合、すぐにトイレに行けるという大きなメリットも享受することができるのです。
私はお酒を飲みます。キャンプで飲むお酒はまた格別ですので、ついつい量も増えてしまうことが多々あります。すると渡しの場合、小便に行きたくなる頻度も高くなってしまうわけです。そんな時に、自分たちのキャンプサイトから施設のトイレまでが非常に遠ければ、すごく面倒です。クルマを近くに駐められる状況であれば、すぐ近くにトイレがある安心感は、お酒を楽しむ上で、より気持ちに余裕をもたらしてくれます。
また、家族、特に女性や高齢者などが同伴する場合にも、キャンピングカーのトイレは大活躍すること間違いなしです。キャンプ場によっては、トイレが目も当てられない散々たる状況になっているということも少なからずあります。そんな状態のトイレでは、衛生的な心配もありますし、夜中に女性ひとり、高齢者ひとりで遠くの方までトイレに行かなければならないといった状況も避けることができます。キャンプに行くと言った時に、同伴者の不安要素をひとつでも解消しておくことで、同伴者の積極性にも一役買ってくれるかもしれません。キャンプが好きでたまらないあなたの周りにもしキャンプに前のめりでない人がいるとすれば、そういった点も原因の一つかもしれませんよ。
3、ダイネット以外の就寝スペース
これは、単純に楽をしたいからです。例えば、キャンピングカーの中で呑んで食べてと楽しんだ後、テーブルの上がどれだけ散らかっていても、就寝スペース、要はベッドが別にあれば、片付けを翌朝に持ち越して寝ることができるのです。
まだキャンピングカーの仕組み等についてあまりよく知らないという人であれば、何を言っているのか解らないかもしれませんので、少し解説したいと思います。
キャンピングカーのベッドというのは、①常設ベッド②展開式ベッド③バンクベッド、という3つに大きく分類されます。
①常設ベッドというのは、その名の通り、車内に常にベッドとしてのスペースが確保されている状態です。日本人なら誰もがイメージするキャンピングカー、キャブコンで言えば、最後尾にレイアウトされていることが多いスペースですね。
②展開式ベッドは、社内でくつろぐためのダイネットスペース(リビング)にある椅子や背もたれ等を解体し、組み立てし直すことによって作り出すベッドのことです。
③バンクベッドとは、キャブコンの運転席及び助手席の上部に作られたスペースにあるベッドのことで、これは走行時等の未使用時には折りたたまれているタイプと、海外メーカーなどではコントローラーで電動で天井から降りてくるものもあります。
このように、キャンピングカーの就寝スペースというのはタイプが分れます。
私の条件である、ダイネット以外にベッドがあるというのは、①か③になります。②の展開式ベッドというのは、キャンピングカーメーカーによってその仕様が様々なのですが、いずれにしても、ワンタッチでベッドになるようなものはまずありません。
つまり、展開式ベッドでしか寝られないということになると、キャンピングカー内のダイネットで食事をしてお酒を呑み、「さあ寝ようか」となってから、ダイネット内で飲食したものを完全に片付け、さらにはベッドを展開して設置しなければならないのです。
疲れていない状態で、なおかつ少量のお酒を飲んだ程度であればそれも可能かもしれません。しかし、運転や旅の疲れ等がある中で、セーブすることなくお酒を飲み(疲れていると余計に酔います)、気持ちよくなったところでそのまま寝たいと思うのが人の常というものです。逆に言えば、ベッドを展開することに気を遣うあまり、好きにお酒を飲めないなどというのは、旅の楽しみを半減させてしまうでしょう。まあ、お酒を飲まれない方には関係がないかもしれませんが、いくら簡単な手順でベッドが設置できる車種であったとしても、寝る前にその設置作業があるという心理的な重しが嫌なのです。
展開式ベッドしか持ち合わせないタイプのキャンピングカーを購入して、この点に不満を持つ方は結構たくさんいます。当然ですが、複雑な構造になっているベッドであればあるほど、設置に体力も時間も要しますので、非常に気が重くなり、最悪の場合、そのキャンピングカーで出掛けるのが嫌になってしまうかもしれません。そうなってくると、気兼ねなく寝られる環境を手に入れるためにキャンピングカーを手に入れたはずなのに、まさに本末転倒ですね。
バンクベッドはOKです。バンクベッドは、展開が必要なものであっても、「折りたたまれているのを伸ばす」、「ダンパー等で天井側に収納されてあるベッドをワンタッチで引き下ろす」といった、ほんのワンアクションでベッドメイクが可能ですので、流石に私もそれすらも出来ないほどには飲みません。
どのキャンピングカーを選ぶのか
いかがでしたでしょうか。少しは参考になりましたでしょうか。
以上が、私がキャンピングカーを選ぶ上での「優先順位」となります。
つまり、私がキャンピングカーを見て回る条件としては、まずトイレの有無(もしくは設置可能かどうか)を確認するわけです。これは一目瞭然ですので、この時点で候補車両がかなり絞られてきます。あとは、荷室とベッドの状況を確認して回れば良いだけですね。
しかし、荷室とベッドだけとは言っても、そのバリュエーションは非常に多岐に渡りますので、自分の好みのものを探していくとなると、まだかなりの候補が残っているんですけどね。
このように、数々の条件を乗り越え、厳選された候補者の中から選び出された、私にとっての究極の一台。。。それは、
『ジムニー』です!!
「はっ!?ふざけるなよ!」
という声が多々聞こえてきそうですが、先に謝っておきます。
「申し訳ございません。」
結論としては、「ジムニーを買う」ということに決定いたしました。
散々引っ張っておいて、意味不明な結果となったことは申し訳ないのですが、これには訳がありまして、簡単にご説明いたしますと、、、
これまでも、私の中にはずっと、「ジムニー熱」がメラメラと燃え続けていまして、キャンピングカーを探しながらも常に頭の、いや、心の片隅には「ジムニー」がいました。YouTubeなどでジムニーが道なき道を攻めて行く姿を見れば見るほど、「楽しそうだなあ」「やってみたいなあ」と感じる日々が続いておりました。
そして今回、キャンピングカーフェアに参加し、あるブースの担当者の方と話をしていた所、なんと、その担当者の方が最近ジムニーを買われたとのことで、ジムニー話でかなり盛り上がってしまったのです。
そして遂に、ジムニー熱は最高潮に達し、、、このような結論と、相成りました。
もちろん、冒頭にもご説明しました通り、これまで自分なりにかなり細かくキャンピングカー研究をしてきましたので、キャンピングカーにまつわる様々な知識が身についたことは間違いありません。
上記で長々と説明してきた自分の優先順位から、キャンピングカーの維持管理に係る情報まで(機会があれば維持管理等の面についてもまた記事にしたいと思います。)本当に勉強になりました。
ですので、そういった知識は、いつの日か来るであろう、キャンピングカー購入のタイミングに活かしていきたいと思っています。
結果はこうなりましたが、キャンピングカー選びをする上での考え方自体は、これからキャンピングカーの購入を考えている方にとって、少しは参考にしていただける部分もあったのではないかと思いますので、この記事が少しでもお役に立てれば幸いです。
それでは、みなさんもこれからのアウトドア・ライフをさらに充実させていきましょう!
おまけ
冒頭に、男であることの性(サガ)ともいうべき感覚(ワクワク感)について触れましたが、キャンピングカーフェアの会場でも、カップルから若夫婦から子連れのファミリーに老夫婦と、様々な属性の人たちが散見された中で、明らかに、お母さんよりもお父さん、女の子よりも男の子の方が、テンションが上がっていました。
この種の感覚というのは、やはり男女間で温度差があるのでしょうかねえ。女子たちが目を輝かせる、キラっと光るただの石(ダイヤモンド)を見ても、男子が大して感動しないのと同じような感じでしょうか。
こういう感覚の違いというものも、見ていて面白かったです。
では、See You ~